【解説】Augurのシェアとコンプリートセット(消滅編)

前回、Augurのシェアとコンプリートセットの生成ついて書きました(こちら)。今回はシェアがどのように消滅するかについて書きます。

シェアはどうやって消滅する?

「消滅」という表現は若干語弊があり、シェア自体はトークンであるため、厳密にはBurnすることによって使用できない状態にします。

ではどのような時にBurnされるかと言うと、
・未ファイナライズマーケットで全種類のシェアの売り注文が同数集まった場合
・ファイナライズしたマーケットでウィニングシェアの払い戻し(redeem)を行った場合
の2パターンです。

以下、各パターンの詳細を説明します。

未ファイナライズマーケットで全種類のシェアの売り注文が同数集まった場合

以下の図をご覧ください。
以下の図は、
・AliceはシェアAを1個、0.8ETHで売りたい。
・BobはシェアBを1個、0.2ETHで売りたい。
・マーケットはファイナライズしておらず、オーダーブックは空。
という状態から各々がシェアを売却する概要図です。

順番に説明します。

Aliceはオーダー「シェアAを1個、0.8ETHで売りたい」と、シェアAを1個Augurに送信します。
Bobはオーダー「シェアBを1個、0.2ETHで売りたい」と、シェアBを1個Augurに送信します。

Augurはこれらのオーダーをマッチングします。この時、全種類のシェアの売り注文が同数集まった状態となりました。この状態になると、Augurはマッチングした全種類のシェア(この図の場合、シェアAとシェアB)をBurnします。

Burnした後、Augurはそれぞれの発注者にETHを送信して取引は完了です。なお送信したETHは、シェア生成時にAugurに預けられていたものです。

シェアが生成される条件は「全種類のシェアの買い注文が同数集まった場合」でしたので、消滅はその逆のイメージですね。

ファイナライズしたマーケットでウィニングシェアの払い戻しを行った場合

「ファイナライズしたマーケット」とは、アウトカムが確定したマーケットのことです。

「ウィニングシェア」とはファイナライズしたアウトカムに対応するシェアのことです。例えばマーケット「2016年の米国大統領選挙で勝つのはトランプとクリントンのどちらか?」があり、アウトカムがトランプクリントンの2つだとすると、シェアはこれらのアウトカムに対応する形で2つのシェア、シェア・トランプシェア・クリントンの二つが存在します。選挙の結果はトランプが当選したため(レポーターが正しくレポートを行えば)、ウィニングシェアはシェア・トランプとなります。

払い戻し(redeem)とは、マーケットのファイナライズ後にウィニングシェアをAugurに送信してETHを受け取ることです。

ファイナライズしたマーケットでウイニングシェアがAugurに送信されるとそのシェアはBurnされ、ETHが払い戻される、という仕組みです。

図で表すと以下のようになります。
以下の図は、
・AliceはシェアA(=ウィニングシェア)を1個所有し、払い戻ししたい。
・BobはシェアBを1個所有している。
・マーケットはアウトカムAにファイナライズし、オーダーブックは空。
という状態です。

Aliceはウィニングシェアを1個を払い戻し、1 ETH 取得しています。一方、Bobが所有していたシェアBに価値は無く0 ETH です。(つまりBobの賭けははずれた、ということですね)。

なお、「コンプリートセット1個は 1 ETH である」という原則があるため、「ウィニングシェア1個につき、1 ETH 払い戻される」というルールは全てのマーケットで共通です。この例の場合、コンプリートセット1個は、シェアAが1個とシェアBが1個で構成されるため、価格を式で表すと以下となります。

コンプリートセット1個の価格
= (シェアA 1個の価格) + (シェアB 1個の価格)
= 1 ETH

従って、アウトカムAにファイナライズすると、シェアBの価格は 0 ETH となり、ウィニングシェアとなったAのシェアは価格が 1 ETH となります。もちろん、取引するシェアは1.0ちょうどでなくても良いので、ウィニングシェア0.7個を払い戻せば 0.7 ETH が払い戻されます。同様に、ウィニングシェア1.2個を払い戻せば 1.2 ETH が払い戻されます。

以上でシェアの生成/消滅の解説は終わりです。

Augurについては不明な点が多く、私の知識も限られたものですが、分かる範囲で解説を続けたいと思いますので少しでもAugurに興味を持っていただけると幸いです。