【解説】パーティシペーショントークン(participation token)

パーティシペーショントークン(以下PT)とは、Augurのプール内に蓄えられた手数料の一部を受領する権限が付与されたトークンのことです。

PTは手数料期間(fee window)毎にREPで購入可能です。手数料期間が終了すると購入時に支払ったREPが戻ってくると同時に、その手数料期間中にレポーティング手数料プール(reporting fee pool)に蓄えられた有効性保証金(validity bond)とレポーティング手数料(reporting fee)が、購入時に支払ったREP量に応じて分配されます。

※手数料期間については過去記事「【解説】手数料期間(fee window)と次の手数料期間待ちフェーズ」をご覧ください

ただし、このプール金はPT購入者だけでなく、保有するREPをステークしている全てのユーザー、つまりイニシャルレポーターと争議者にも分配されます


REP量に応じてどのように分配されるか、簡単な例を挙げて考えてみます。REP保有者が3人おり、ある手数料期間中に以下のようにREPをステークしたとします。

役割 支払いREP量 全支払いREP量に対する割合
PT購入者 10 REP 12.5 %
イニシャルレポーター 20 REP 25.0 %
争議者 50 REP 62.5 %

PTを購入した手数料期間中に、レポーティング手数料プールに 100 ETH がプールされたとすると、この手数料期間で各REP保有者が得られる収入は以下となります。

役割 分配金
PT購入者 100 ETH * 12.5 % = 12.5 ETH
イニシャルレポーター 100 ETH * 25.0% = 25.0 ETH
争議者 100 ETH * 62.5% = 62.5 ETH

なお、PT購入者は手数料期間が終了時に分配金を受け取りますが、イニシャルレポーターと争議者はステーク対象のマーケットがファイナライズした時に受け取ります。この違いは、プールから分配金を受け取るために保有しているトークンの種類が異なるためです。

PT購入者は前述の通り、PTによって分配金を受け取る権利を有しています。対して、イニシャルレポーターと争議者は「手数料トークン(fee token)」によってその権利を有しています。

イニシャルレポーター/争議者がREPをステークした後、スマートコントラクトによって手数料期間に突入する度にステークしたREP量に応じた「手数料トークン」が生成されます(従って、ステークした時の手数料期間のプール金だけでなく、ステーク中に経過した全ての手数料期間においてプール金の一部を受け取る権利が発生します)。

PTと異なるのは、この手数料トークンをREPに戻して分配金を受領できるタイミングがファイナライズ後であるという点です。

パーティシペーショントークンの存在意義

PTの存在意義は、REP保有者に定期的(手数料期間である7日毎)にAugurに参加させるためです。定期的に参加させることで、Augurの機能としてのフォークが発生した際にREP保有者はフォークを検知し、REPの移行を行うきっかけとなります。
※フォークについては過去記事「Augurの機能としてのフォーク」をご覧ください

どんな人がパーティシペーショントークンを購入するか

私はほとんどのREP保有者がPTを購入すると予想しています。

REP保有者がマーケットのトレード以外で保有する資産をAugurで増やすには、イニシャルレポートを行う、争議をする、PTを購入する、のいずれかを行う必要があります。しかし、イニシャルレポートまたは争議に参加すると、ステークしたアウトカムがファイナルアウトカムにならない場合はそのREPを失ってしまうリスクがあります。

一方、PT購入ではそのリスクは無く(購入から手数料期間終了までREPを移動できないリスク、Augurの脆弱性が原因でREPを失うリスク等はあると思いますが)、ほぼノーリスクで分配を受け取ることができます。

従って、REPを失うのは怖いがプール金の分配は欲しい大多数のREP保有者は、毎週PT購入者としてAugurに参加する可能性が高いと考えています。

旧設計ではREPを保有しているだけで手数料が獲得できる仕様だったと記憶していますが、このように仕様は変更され、REPを保有しているだけでは何も収入はありません。新設計では、手数料を得るために能動的に(7日間に1回は)Augurに参加しなくてはいけません。

PTのまとめ

手数料期間毎(7日間に1回)にREPで購入できる。
手数料期間終了時に購入したREPが返金される。
手数料期間終了時に購入したREP量に応じてプール金からの分配を受け取れる。
目的は手数料期間毎にAugurに参加させるため。

おまけ

ベータ版では REPORTING → DISPUTE → PARTICIPATE を選択すると購入画面が表示されます。